パパが3歳のとき知っておきたかったこと

年収は2-3000万円で全然いいんですよ、お金には執着しないタイプなので。

国語の教科書で『焼肉の話』をするのはどうだろう?

 大学生のころ、よく遊んでいた友人らと「たまには家で焼肉でもしよう」ということになった。スーパーで安い肉やお酒を大量に買い込み、男4人だけの焼肉がスタートした。初めのうちは、「やっぱり宅飲み最高だよね〜」「牛角の100倍コスパいいじゃん!」「合コンだったらもっと良かったけどね」なんてお決まりの会話(?)を交わしながらわいわい楽しんでいた。

 だが、途中から少し雲行きが怪しくなった。十分に買ってきたはずのパック肉に、うっすらと品薄感が漂いはじめたのである。誰も料理経験がなかったものだから、男子大学生4人分の食材の適量がわからず、過小に見誤ってしまったのだ。宅飲みの唯一の欠点は、一度はじめたら、追加の買い出しが鬼のように面倒くさくなることだ。正直、その辺のふつうの鬼どもを退治しに行くよりよっぽどダルい。

 というわけで、ここからは各々が「せめて自分だけは満腹に」のスローガンをかかげ、両隣のヤツが肉を取る少し前を見計らって肉をかっさらうようになる。だが、よく考えると、全員が自分の両隣の挙動をウォッチしている状態で、自分一人だけ美味しい思いができるわけがない。自分がちょっと早めの焼き加減で肉をとれば、今度は隣のヤツがそれよりもっと早く奪っていく。当然の帰結として、焼き加減はミディアム→ミディアムレア→レア…という風に短時間化し、鉄板の上はまるでスライストマトでも並べて焼いているような赤い彩りに変わった。最終的には、味付きの鶏肉をパックから箸でつかみ、しゃぶしゃぶ感覚でサッと鉄板に押しつけて食べるものまでいた。

 もちろん、結果として全体量が少ない肉を生焼けのまま急いで分け合っただけなので、誰も満腹にはなれず、「おれたち、いったい何してるんだっけ?」とか言いながら、みんなで近所のラーメン屋に向かったのであった。

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ときにお金が台無しにする

 日常には、お金が絡んではいけない場面がある。

 誕生日プレゼントに現金を贈る人はいない。図書券やギフト券が一般的だ。

 お世話になった恩師から夕食に招かれたときに、お礼としてお菓子やワインなどを手渡すのはわかるが、その代わりに1万円を差し出したりしたら変な空気になるだろう

 あるいは、電車で席を譲ってくれた人に対して、老人が「私はこれから15分座ります。あなたの時給が2,000円だとして500円分になります。これをお受け取り下さい」と支払っていたらびっくりする。

 また、あなたが会社で夜遅くまで働いていたとき、上司が帰り際にやってきて缶コーヒーをそっと置いて去っていった。べつの上司は120円分の硬貨を置いていった。どちらに好感を感じるだろう?

 お金の生々しさは、人の温かい気持ちを台無しにする。人間関係にお金が絡んだとたん、それまでのほんわかした関係性から離れ、シビアな損得勘定の世界に連れていかれる。友人のマルチ勧誘や親戚の保険勧誘に嫌悪感をいだくのも、彼らが交友関係を利用して近づいてきたのにお金の話をするからだ。そういう経験をすると、二度と元の関係には戻れないだろう。

 こういう調査結果*もある。海外の託児所で、子供の迎えに遅れてくる親に罰金を科し改善を図った結果、罰金は上手く機能しないばかりか、長期的に見ると悪影響が出ると結論付けられた。

 なぜか?罰金が導入される前は、遅刻する親も、道徳的に後ろめたく感じ、託児所に対して悪いと思っていた。ところが、罰金が科されとたん、遅刻は道徳的な問題からお金の問題にすり替わり、託児所に対する罪悪感は薄れてしまった。親は、お金で延長サービスを買う感覚で、頻繁に遅刻するようになったのだ。言うまでもなくそれは託児所の思惑とは反対の結果だった。

 興味深いのは、数週間後に託児所が罰金制度を廃止すると、親の遅刻がさらに増えてしまったことだ。罰金開始前の水準に戻っても良さそうだが、親の道徳心は一度失うと簡単には回復しないらしい。遅刻がお金の問題になってしまった今、有料だった延長サービスが無料化されたのだから遅刻が増えるのは当然かもしれない。

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パパがもらった山盛りエビフライ

 改めて言うまでもなく、じいじ&ばあばにとって孫は特別な存在です。

 会社では「鬼軍曹」と呼ばれる部長でさえ、唯一、孫に対しては野に咲くタンポポのように優しく接します。

 タンポポは、孫から髪をもみくちゃにされようが少々ヨダレを垂らされようがいつもニコニコ笑い、いないいないばあで変顔をしたり、ヒヒーンと鳴くお馬さんになってみたり、あるいは「おひげジョリジョリ攻撃〜☆」などを全くちゅうちょなくやります。繰り返しますが、会社では部下を奴隷のようにこき使い、「人格が破綻している線が濃厚」と噂される”鬼軍曹”が、です。世間一般的に、「孫=目に入れても痛くないもの」という理解は決して大げさではないようですね。

 また、昔こういうCMもありました。

私のおじいさんがくれた初めてのキャンディー
それはヴェルタースオリジナルで私は4歳でした
その味は甘くてクリーミーで
こんな素晴らしいキャンディーを貰える私は
きっと特別な存在なのだと感じました
今では私がおじいさん
孫にあげるのはもちろんヴェルタースオリジナル
なぜなら、彼もまた特別な存在だからです

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(前編)パパのなかの『アニマル浜口』

 ”気合モンスター” ことアニマル浜口さんは、必要以上に「気合いだ!」と叫ぶことから、世間では、とても変わった人だと認知されている。

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 少しうがった見方をすれば、アニマルさんの特異な言動は、メディアの注目を集めたり、親子でタレント活動したりするための独特なキャラづくりだと解釈できる。つまり、ファミリービジネスのための戦略的な ”気合いマーケティング” だと。

 だがしかし、娘・京子さんの試合会場で120%で叫ぶアニマルさんの様子や少し前に書かれた著書なんかを見ると、そこには何の計算もなく、むしろ完全に天然だと確信できる。

 じつのところパパは、とても娘想いで情熱的なアニマルさんが大好きなのだが、娘があからさまに苦笑いするなか、なぜあれほどまでに「気合いだ!」と連呼できるのか、少々、理解に苦しんでいた部分がある。正直、自分の満足のためにやっていて、娘に対する叱咤激励としての効果は薄いように見えた。

 でも最近、行動経済学なるものを学ぶうちに、アニマルさんの言動の謎が少しだけ解けた気がした。

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 アニマルさんの前に、まずは名前も似ている五郎丸さんの話から始めよう。

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『社長たちの信念』

 上場企業の社長三名に対して、記者がインタビューした。

ーー今の社長があるのは、これまでどんな信念を持ってやってきたからですか?

居酒屋の社長「別にたいしたことありませんよ。唯一の信念は、お客さま・会社のために苦労をいとわず、朝から晩まで身を粉にして働くということです。もちろん、自分の収入や休みなどは二の次に考えます。」

引っ越し屋の社長「同じです。」

服屋の社長「奇遇ですな!私もまったく同じですよ。」


ーーなるほど!御三方がそうおっしゃるということは、その信念こそが成功の秘訣なのでしょうか?

居酒屋の社長「いや、そういった信念をうちの全社員にしっかりと植え付けたおかげですよ!」

引っ越し屋の社長「同じです。」

服屋の社長「奇遇ですな!私もまったく同じですよ。」


社長一同「ガハハハハハハハ!」

先生が教えてくれないお金のこと

 今日はちょっとお金の話でもしましょう。

 お金はみんなに関係し、いくら知ろうと知りすぎることはないと思うのですが、なぜだか学校ではまったく教えてくれず、代わりに「サイン、コサイン、タンジェント!」をとことん詰め込まれます。

 余談ですが、「サインコサイン〜」は語呂がすごく良いのは認めるのですが、残念ながら、現実社会でこの知識が役立つことは、ほぼ皆無です。パパも、比較的、数字にうるさいお仕事をしていながら、会社で「ここのタンジェントどうなってんの?」とか言ってくるおじさんには一度も出会ったことがありません(「このりゅうちぇる、あのりゅうちぇる」言ってくるおじさんのほうがまだ多い気がします)。

 さて、本題です。大きなお金に関係する重要なイベントを2つ紹介します。

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マスク美人という『桜』

 結論からいうと、『マスク美人』は3月上旬に急増します。

 これは、1)花粉対策をする女子と、2)季節の変わり目に風邪予防をする女子の両グループが、この時期にそろってマスク着用を始めるからです。

 また、その様子を見た、3)花粉症ではない&風邪をひきにくいグループの女子たちも、なぜかつられて、あとを追うようにマスクを着けだし、全体のマスク率をグッと引き上げます。したがって、例年3/9〜3/12あたりには、その年のマスク美人たちがひととおり出揃うことになります。

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『人生最大のターニングポイント』

「テレビの前のみなさん、ごきげんよう!今週もやってまいりました『お隣の金持ち先生』です。この番組は、一般のお金持ちの方々をお招きし、お金持ちになるまでのストーリーやその秘訣、独自の思考法などをうかがう番組です。第65回目となる本日は、東京都港区に住む田中富夫さんにお越し頂いております。田中さん、こんにちは!」

ーどうもこんにちは。

「それでは早速ですが、田中さん。あなたがいかにして巨万の富を築き上げたのか、その軌跡をお話し頂いてもよろしいでしょうか?」

ーええ、わかりました。少々緊張しておりますが、喜んでお話しいたしましょう。

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それでも『プロ』リア充を目指すか?

 SNSの登場によって、昔は見えなかった、遠い友達のリア充生活が自然と目に入るようになった。隣の芝生が青く見えるのは、決して気のせいではない。SNSという気球船にのって空から街じゅうを見渡し、他人の本当に青い芝生を眺めているからだ。そんな話をきのうしたと思う。

 しかし、ここで一つ忘れてはいけないことがある。それは、リア充生活をおくる本人たちも少なからず努力している、ということだ。生まれつきリア充だという人はそう多くはない。ほとんどが後天性のリア充だ。

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 スマホでフェイスブックを開き、他人のリア充生活をこれでもかと見せつけられると、誰もが少しぐらいは羨ましい・妬ましいと思う。それと同時に、自身の中途半端な生活は死んでもアップできないという意地も生まれる。その結果、行動は二極化する。FB上でのリア充争いから清く撤退するか、それとも努力してリア充になりきるか。

 後者をプロリア充と呼ぼう。プロリア充は、行動基準の最上位に「他人が納得するリア充写真を撮れるかどうか」を置く。逆に言えば、リア充写真を撮るためには、どんな犠牲もいとわない覚悟がある。

 一番分かりやすいのが、カラーランと呼ばれるものだ。このイベントはリア充っぽい写真が撮れるという価値以外にその存在意義がまったく説明できない。いい歳した大人がお金を払って変装して密集して走りながら、カラフルな粉をぶっかけ合っているだけなのだから。

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『1個100円でドングリを買う男』

むかしむかし、子どもたちが公園で遊んでいると、ある男がやってきてこう言いました。

「この公園のドングリを1個100円で買いたい」

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公園のそこら中にドングリは落ちていたので、子どもたちはさっそく拾いはじめました。

1時間後、子どもが集めた数百個のドングリを、その男は、約束どおり1個100円で購入して帰っていきました。ひと月のお小遣いが500円や1,000円の子どもたちにとってありえないほどの大金が、たった1時間のドングリ拾いで手に入ったのです。

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