パパが3歳のとき知っておきたかったこと

年収は2-3000万円で全然いいんですよ、お金には執着しないタイプなので。

『1個100円でドングリを買う男』

むかしむかし、子どもたちが公園で遊んでいると、ある男がやってきてこう言いました。

「この公園のドングリを1個100円で買いたい」

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公園のそこら中にドングリは落ちていたので、子どもたちはさっそく拾いはじめました。

1時間後、子どもが集めた数百個のドングリを、その男は、約束どおり1個100円で購入して帰っていきました。ひと月のお小遣いが500円や1,000円の子どもたちにとってありえないほどの大金が、たった1時間のドングリ拾いで手に入ったのです。

 翌日、男はまた公園にやってきました。そして、きのうと同じように、たくさんのドングリを買い取っていきました。

その翌日も男は現れ、ドングリを求めました。しかし、ここ二日間、集中的にドングリを拾ったせいで、なかなかドングリが見つからず、2時間 探してドングリはたったの8個でした。

次の日、男がやってきたとき、子どもたちは「もう割りに合わないから、しばらくドングリ拾いはやらない」と言いました。すると、男は「今日からは1個200円で買う」と言いました。

売り値が2倍になれば話は違います。子どもたちは手分けして公園のいたるところを探し、奥に隠れているドングリを必死にかき集めました。

それから二日後、一段とドングリが見つかりにくくなると、男はドングリの価格を400円へと吊りあげました。

さらに二日後、いよいよ公園のドングリが完全に枯渇するというときになって、男は、明日からドングリの価格を1個1,000円にまで大幅に引き上げると宣言したのです。
しかし、男は明日は別件の用事ができたため、男の知人が代わりにドングリの買い取りをおこなうとのことでした。

次の日になり、男の知人がやってきました。子どもたちは、いつもどおりドングリ探しを始めましたが、探せど探せど、なかなか見つかりません。結局、3時間以上 探しましたが、ドングリは1個も見つからず、これまでで初めて報酬が全くない日となりました。

子どもたちが落胆していると、それを見かねた男の知人が寄ってきて言いました。

「じつは、君たちが今まで集めたドングリはすべて私が彼から預かっている。君たちがあまりにも可哀相だから言うが、そのドングリを今この場で、君たちにこっそり1個500円で売ってもいい。明日になって彼が戻ったなら、それを彼に1,000円で買い取ってもらえば相当に儲かるだろう」

子どもたちは急いで自宅に戻り、貯金箱を開けたりお年玉を引き出したりお兄ちゃんから借りたりしてお金を持ち寄り、今まで100〜400円で売ってきたドングリすべてを1個500円で買い戻しました。

その後、男たちは二度と現れず、しばらくすると公園はタダ同然のドングリで溢れかえったのでした。